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第42回 日中の漫画・アニメの違い
发布者:ge  日期:2009-12-09  点击:485

4月29日、北京を訪問した麻生太郎総理は、北京市内にある国際交流基金・日本文化センターを訪れ、2008年に国際漫画賞優秀賞(注)を受賞した尹川氏と懇談しました。日本でも中国でも漫画、アニメは人気がありますが、両国における違いを考察してみたいと思います。

(注)国際漫画賞は、世界の優れた漫画を表彰するために2007年に創設されました。日本にある実行委員会が選考します。第1回(2007年8月)の国際漫画賞は、李志清氏の「孫子兵法(原題・孫子攻略)」 が、また国際漫画奨励賞にはKAI氏「十五二十」他が選ばれており、第2回(2008年9月)は、国際漫画賞最優秀賞に劉雲傑「Feel 100%(百分百感覺)」 が、国際漫画賞優秀賞に尹川「逝」他が選ばれています。つまり中国は、圧倒的な強さを示していると言えます。

青山剛昌ふるさと館

中国でも日本の漫画、アニメは数多く紹介されています。しかし、中国でまだ紹介されていない日本の漫画、アニメも多いと言えます。

日本の漫画、アニメは以下の種類に分類できると思います。代表的な作品名も掲げました。(中国では、どの分野の漫画、アニメが人気があるでしょうか?)

(1) 近未来のロボット、サイボーグなどの活躍を描くもの:鉄腕アトム、鉄人28号、ガンダム、サイボーグ009,攻殻機動隊(Ghost in the shell)

(2) 子供や青少年がスポーツその他のクラブ活動を通して成長する姿を描くもの:テニスの王子様(テニス)、スラムダンク(バスケットボール)、キャプテン翼(サッカー)、柔道一直線(柔道)、アタックNo1(バレーボール)、巨人の星(野球)、ヒカルの碁(囲碁)

(3) 日本の小学生のふだんの生活を描くもの:ちびまる子ちゃん、ドラえもん

(4) お母さんを中心とした家族のほのぼのとした生活を描くもの:サザエさん、あたしンち(この場合、お母さんは専業主婦である場合が多い)

(5) 思春期の女性の気持ちを描くもの:耳をすませば、おもひでぽろぽろ

(6) 探偵の活躍を描くもの:名探偵コナン、明智少年の華麗なる事件簿

(7) 世間的には悪いことをしている人を主人公にしながら、実は世間の問題を考えさせるもの:ブラックジャック(医者)、ゴルゴ13(殺人)、銭ゲバ(殺人など)

(8) ある職業を取り上げ、その仕事の深さ、職に携わる人たちの真摯な姿を描くもの:おいしんぼ(料理人)、ブラックジャックによろしく(医者)、動物のお医者さん(獣医学部学生)、マッハGOGOGO(カーレーサー)、家栽の人(家庭裁判所裁判官)

(9) 妖怪・お化けなどを描くもの:お化けのQ太郎、ゲゲゲの鬼太郎、千と千尋の神隠し、どろろ

(10) 日本ではなくヨーロッパを舞台にしたような作品(原作者がヨーロッパ人):アルプスの少女ハイジ、ハウルの動く城、フランダースの犬

(11) 中国のお話から着想を得たもの:悟空の冒険、ドラゴンボール

(12) 魔法を使う女の子が主人公:魔女の宅急便、魔法使いサリー

(13) その他、私もよく知らない漫画、アニメや、上記の分類ではあてはまらないものがたくさんあります。

水木しげる記念館

日本と中国の漫画、アニメの違いとしては以下が指摘できるでしょう。

(1) ともかく日本では漫画の出版点数がものすごく多いのです。アマチュアの人が趣味で出している漫画同人誌もたくさんあります。その中から人気のある作品が淘汰されて選ばれてきます。

(2) 日本では、漫画、アニメは子供だけでなく大人も対象としています。従って、仕事に関するもの、悪人を描くもの、怪奇的なもの、暗い未来を暗示するものなども少なからずあります。「勧善懲悪」だけではないわけです。

(3) 原作が漫画でそれがアニメ化(テレビ、映画)される場合が多いのですが、アニメではないドラマ・劇映画化(俳優が演じる実写のもの)されることもあります。

(4) 日中の生徒・学生生活の違いの一つには、放課後、スポーツ活動やクラブ活動に多くの時間を日本の生徒・学生が割いていることがあります。そこでは、努力や友情の尊さを学び、いろいろな感動があります。そのため子供・青少年のスポーツ活動やクラブ活動を描く漫画・アニメは日本では強い支持を受けています。

(5) 仕事に関する漫画・アニメを見ると、いかに日本人が職業に真剣に打ち込んでいるかがわかります。日本人は仕事を描きながら人生の様々なことを考えさせる漫画・アニメが好きです。中国人は、日本人が非常にまじめに仕事に打ち込む姿によく感心してくれますが、漫画・アニメを通じてもその姿を見ることができるでしょう。

(6) 日本では、歴史ものをただ漫画・アニメにしてもあまり人気が出ないと言えると思います。かなり原作を発展させ、新しい着想や視点をいれるなどして、面白くしないと受け入れられないようです。

最近、日本では多くの漫画、アニメの美術館、博物館がオープンしています。是非中国の皆さんも日本を訪問される機会があれば、ご訪問いただきたいと思います。私もいくつかを訪問しましたが、日本の漫画家がどのような生い立ちを経て育ってきたか、そしてどのような強烈なメッセージ、考え、感情をもって仕事に打ち込んでいるか、といったことを知ることができます。

付録:

● 京都国際マンガミュージアム http://www.kyotomm.jp/

● 手塚治虫記念館 http://tezukaosamu.net/jp/museum/index.html

● 三鷹の森ジブリ美術館 http://www.ghibli-museum.jp/

● 青山剛昌ふるさと館 http://www.gamf.jp/

● 水木しげる記念館 http://www.sakaiminato.net/mizuki/

● ちびまる子ちゃんランド http://www.dream-plaza.co.jp/amusement/maruko/index.html

● 永井豪記念館 http://www.go-wonderland.jp/

● 石ノ森漫画館 http://www.man-bow.com/manga/?bcsi_scan_1BFA91838EB889A1=0

● 横浜アンパンマン子供ミュージアム http://www.yokohama-anpanman.jp/main.html

● 青梅赤塚不二夫会館  http://akatsuka-hall.omjk.jp/

● 長谷川町子美術館 http://www.hasegawamachiko.jp/

● 横山隆一まんが記念館 http://www.bunkaplaza.or.jp/mangakan/

(井出敬二 前在中国日本大使館広報文化センター所長)

 「チャイナネット」2009年3月2日

 
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